万年筆の達人のお店 小野萬年筆

ブログ

2023/11/07
コラム

【モンブラン】万年筆 No,149 ペン先仕立て直し

「OB」のペン先を「M」に仕立て直し(細字直し)の依頼です。

インクがうまく出ない、書き出しが掠れるとの事での依頼です、オーナーは斜頸ペン先(O/オブリーク)とは気づかずに入手されたようです。
なぜか思うように書けない、インクが出ない(途中切れ)と悩んでおられました、オーナーは”M”ペン先と思い込んでおられたようです。
これは特殊ペン先の為、オーナーの書き癖とペン先の選択が合っていなかった為です、そこで今回は単なる細字直しではなく思い切って、「M」へのペン先に仕立て直すのが良いだろうと思い提案をさせて頂きました。
オーナーの書癖と好みをお聞きし、それに合わせて調整しております。
モンブランの「OB」「OBB」は縦線が細く横線が太く書けるように作られております、これにより今までにない筆跡が得られて楽しい表現が出来ます、ただしペンの角度の許容範囲は狭くペン先のカットの角度からがずれると書きづらく感じます、調整の範囲もかなり狭くなります。

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2023/11/04
コラム

【ファーバーカステル】万年筆 クラシックシリーズ

初筆切れとザラツキ直し・インク出調整の依頼です。
ファーバーカステルは久しぶりの調整になります、「B」ポイントで見た目は特に問題ないように見えますが、ペン先の締まり過ぎと最初調整がオーナーの書き癖と合わないことが原因ででした。
調整にはイリジュウムの再研磨とキリ割の調整になります、オーナーの少し左に傾ける癖に合わせて調整しております、これにより少しの捻り・傾けにも十分に対応できるペン先になりました、オーナーの好みに合わせたインク出の調整(筆圧に合わせて)、これで今までの使いにくさは無くなりました。
ただ、調整前も調整後もほとんどイリジュウムの形は変わっておりません、ペン先(イリジュウム)は形の変わるほどに研磨してはいけません、形を変えるのは細字直し、ペンポイントの大きさを変えるペン先の仕立て直しだけになります、常に再調整が出来るように余裕を持たせなければいけません。
せっかくの「B」ポイントの縦横の線の幅の違いを無くすような調整はしません、縦横の線の幅の違いは変化のある楽しい文字が表現出来ます、ただ太いだけの”B”ポイントではなく、さらに”止め・跳ね・はらい”などの豊かな表現が可能になります。
モンブランの「B」ポイントもまさにこの”B”になります。
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2023/11/02
コラム

【モンブラン】万年筆 旧No,146

40年以前のNo,146になります、EFだが太くて細かい文字が書きにくいのでさらに細くしたいとの事です。
写真は修理調整後の物になります、調整前の写真を撮り忘れましたので、仕上げ後の写真のみになります。
お預かりした時は、インクを入れたままでしたので吸入器も動かなく、ペン先もインクがこびり付き赤く変色もしておりました、さらにペン先に少しですが曲がりがあり、ザラツキとインクの出すぎの原因にもなっておりました。
まず時間を掛けて壊さないように分解します、本来首軸は分解出来ませんが此の旧型はやりようによっては、首軸までも外せますので一度全てを分解し古いシール剤を取り除き、新しくシールし直して組み立てます、これでインク漏れは防げます。
次にペン先曲がり直しをし、さらにペン先の細字直しになります、昔のモンブランのEFは太く感じますので手帳のような細い罫線のようなところには書きにくく思うことがります、それを我慢するとストレスになります、速やかにご自身の理想とするペン先調整されることをお勧めします。
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2023/10/31
コラム

【パイロット】万年筆 キャップレス

インク出すぎ・初筆切れの調整依頼です、筆圧がかなり強く相当押さえ書かれておられます、おそらくそれが原因でのペン先の広がり(上に反り上がる)によりインク出が過度に出るようになったもので、さらにイリジュウムの左右のズレによるザラツキがありました。
オーナーは左利きで斜めにペンを構えて押すように筆記されますその為、右利きとはペン先(イリジュウム)の当たりが違ってきます、右利きの場合引くように書くところも押すようにペンを運びますますので、右利きでは感じない引っ掛かりが出たりします。
この様な調整は出来ないと断られることがあるようですが、基本の調整は右も左も変わる事はありませんが、右利きの私には筆運びを想像しながら調整する事になります、そのあたりが少し手間がかかりますか。
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2023/09/12
コラム

【ペリカン】万年筆 M800 ブラック

ペリカンのペン先曲がり直しです。
これも落とされたそうです、筆記中デスクの上に置いたときにあっという間に転がり落ちたとの事、なぜでしょうかやはりペン先を下に落ちます。
けっこう派手に曲がりました、直しの途中で入った傷は少し残りました、この傷は取れますが、完全に取ってしまうとペンの先腰が柔らかくなり過ぎたりしますので、目立たない程度までの磨きに収めることにしました。
このペリカンM800ブラックは当店で数か月前にお求め頂いた物ですので、当然無料修理になります。

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2023/09/09
コラム

【セーラー】万年筆 還暦

落としてしまったそうです、「アット」気付いた時には、ペン先を下に机から落ちてしまったとの事です。

そうなんです、なぜか萬年筆は落ちるときはペン先が下になります、たぶんペン先は金で重いからでしょうか?尻軸から落ちれば損傷も少なくて済みますのに、残念です。

でも、曲がっただけでしたらほとんどは直ります、元の書き味よりも良くなる事もあります。

今回はイリジュウムの際で曲がっておりましたので、直しの途中でペン先が折れる事があります、との了解を得ての曲がり直しになりました、これはイリジュウムと金ペン先の接合部分に目に見えないヒビの在る事あり、ペンチ(専用)で挟むときに折れる事が極まれにあります、残念ですがそのよう時はペン先交換になります。

ですが今回はヒビは無かったようでうまく直しが出来ました。

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2023/09/08
コラム

【モンブラン】万年筆 スターウォカー レジン

これは一度ペン先の曲がり直しをした物です、その時はそれで書き味も良くなりそれなりに満足されていたのですが、一年ほどして今度はFが太く感じるようになりペン先を細くしたいとご来店されました。

手帳などの細い罫線に書くようになったり、細かい文字を書く必要になったりと、別に太めの万年筆があるので、このモンブランは細くしようと言うことになったのかもそれません。

こんな時は普通ペン先交換になりますが、新しい細字のペン先交換したからと言って、必ずご自身の思うような太さとは限りません、又書き味も満足の行くものとの保証もありません、ご自身の感性の思うような太さ書き味はやはり、相談しながら調整するのが一番でしょう。

 

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2023/09/04
コラム

【モンブラン】万年筆 No,149 カリグラフィー

依頼は、「筆記中にキリ割にインクが滲みどうしても気になる」と事でした。

3年程前に購入(新品)した当初から、ペン先のきり割に使用するたびにペン先の表面(キリ割に添うように)にインクが滲むのが気になっていたが、12年程使用したら馴染んできて出なくなると言われて使ってきたが改善されず気になるので、その調整をしてほしいとの事での依頼です。

又書き出しのカスレ、ザラツキ・引っ掛かりもあり、どれも我慢して3年使ってきたがいずれも良くならなかったとの事です。

書く度にペン先の表面にインク滲むというのはやはりどこかに不具合が在り、正常ではないと疑うべきと思います、それを数年も我慢して使えと言うのはいかがな物でしょうか?

まずは疑うべきかと思いますが。

今回はやはりペン先にゆがみがありました、おそらくこの歪みがインクの滲みの原因と思われますのでこれを直しました、書き味の悪さも歪みとイリジュウムの際での少しの曲がりが原因でした。

万年筆はどこかに不具合を感じた場合もそのまま我慢して使っていれば、いいずれ良くなると言うような事をまことしやかに言う人がおりますが、万年筆はそのような物ではありません、我慢してストレスを感じながら使う物ではありません、速やかに調整し快適に使うものです、いずれ調整するのであればそれまでの時間が無駄になります。

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2023/09/04
コラム

【モンブラン】万年筆 スターウォカー金クリップ

まだ新品のスターウォーカーです、「F」ペン先をEFくらいにして欲しいとの依頼です。

Fでは自分の好みに合わず、使いづらくて困っていたとの事です。

入手する時はこれで良いかと思い、あるいは“F”しかなくやむなく買ってしまって、やっぱり細字が良いと思い、調整依頼される事が多いようです。

ペン先は書き味が悪い、インク出が思うようでない、やはり細字が良いと思った時は出来るだけ速やかに調整された方が、ストレスを溜めるよりはよいかと思います。

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2023/08/09
コラム

【モンブラン】万年筆 No,12

懐かしいモンブランです、オールドタイマーNo,12黒。

吸入出来ないとの事での修理依頼です、見た所ペン先も少し曲がっておりますのと、天ビスが割れておりました、がそれよりはインクが固着して全く分解できない状態です、吸入器の直しとかペン先の直しと言うよりは、首軸が外れなくてなくては何も出来ません。

何十年もインクを入れたままで放置されてきたようです。

まずオーナーに修理可能かどうかをお知らせする為に分解の必要がありますので、初めの写真は分解した写真になりました。

何せ古い物です5060年位以前に製造中止した物です、部品は一切残っておりません、分解するだけでも破損の可能性があります、分解の途中破損しても修理不可で破損したままでの返却もありますとの了解の元でお引き受けしました。

万年筆に聞くように慎重に、いくつかの方法を何日もかけて試しやっと分解出来ました、たぶん今まで一度も修理調整をした事は無かったのでしょう、すべての部品はオリジナルのままでした、分解さえ出来ればペン先直しも、吸入器の調整も後は簡単ですすぐに直せます、

天ビスの破損の修理は依頼されておりませんが、ここまで再生できればなんとしても、天ビスも交換し完品にしたいと思い、たまたま手持ちの部品が在りましたのでそれを使いました。

 

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