万年筆の達人のお店 小野萬年筆

ブログ

2024/08/24
コラム

【モンブラン】万年筆 No,32

 モンブラン オールドタイマー「No,32 ブラック」たぶん50年以前の物になります、このNo,3214金ペン先になりますが、まったく同じ仕様で別にペン先がスチールペン先になるNo,31と言う品番がありました。  ペン先に「585」と刻印があるものがNo,32になりますこのNo,3231には軸の色が4色ありました、バーガンディレッド/グリーン/グレーとこのブラックです、さらP32と言うカートリッジタイプの物もありましたが、これは数が少なく今では見る事がほとんどありません、かなりレアな物になります。

これは長年の使用による経年劣化で首軸にヒビが入ったようです、メーカーでは部品はありませんので修理出来ません、当店にも新しい部品はありませんが手持ちのパーツがりましたのでそれを使用しての修理は可能でした、オーナーは気づいておられませんでしたがペン先にも曲がりありましたので、これも曲がり直しをしインク出調整・書き味の調整をしてお返ししました。

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2024/08/20
コラム

【モンブラン】万年筆 No,149/No,114 ペン先調整

No,149No,114(モーツアルト)共にFペン先をEFへの細字仕立て直しになります。

携帯して手帳などに書き込むことを主な用途として開発されたであろう、モーツアルトは“F”からの販売になりますので、罫線の細い手帳には少しペンは先太く感じます、画数の多い漢字を56ミリ位の罫線では潰れてしまいがちになりますので、当店にもこのモーツアルト「F」の細字直しの依頼は結構あります、ただこのモーツアルトは現在販売しておりませんので以前より少なくなりました。

依頼はNo,114は手帳専用にするので出来るだけ細くしてほしいとの依頼で、同時に長年使っていたNo,149F」も細くしてほしいとの事ですがこれは持ち歩かないのでそこまで細くしなくてよとの事で、モーツアルトほど細くしないでそれより少し太目にという依頼でした。 多変微妙で難しい依頼でしたが狙いどうりの仕上がりになったと思います。

 

 

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2024/08/07
コラム

【モンブラン】万年筆 P146

モンブラン P146 Fポイントのインク出調整の依頼ですインクを吸入中にペン先を痛めたとの事です。          今まで潤沢に出ていたインク出が少なくなってしまったとの事です、見た所何処と言って悪いところはないようですが確かにインク出は少なくなっております。
この万年筆は当店で販売した物ですので、販売時にはオーナーのご希望で多めのインク出と滑らかな書き味をとの希望で、オーナーの書き癖、利き手・ペン先の向き・角度・筆圧・インク出の好みなどをお聞きし調整して販売したものです、調子よく快適に使えていたものがインクを吸入するときに誤ってペン先を痛めてしまったとの事です。   見た目にはわからないですが分解したところわずかに全体にゆがみがありました、それとペン先の締まり(キリ割)もありまあしたのでこれらの微調整をし組み立て直し、イリジュウムの磨きでまた元のオーナーの希望に沿ったペン先に仕上がりました。
当店で販売した物ですので当然無料のペン先直し調整になります。
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2024/07/31
コラム

【モンブラン】万年筆 75周年マイスターシュテックコレクション ルグランNo,146

モンブラン マイスターシュテュック発売75年を記念して、1999年に発売されたモデルです、今年は同100周年ですので、25年前になります、それにしては綺麗に保存されていたようです、たぶんほとんど使用されてなかったのではと思われます。

依頼品は”エディション1924”のシリーズになります。主に手帳の書き込みに使いたいとの事で、出来るだけ細くしたいとの希望でした、又吸入器も動かしていなかった為、かなり重くスムーズに吸入出来ない状態でした。

FポイントをEFまでに細字直しをし、引っ掛かりザラツキなど無いように、又インク出もオーナーの希望通りの調整をしております。イリジュウムだけを小さくするのではなくペン先全体をEFにすることにより、見た目も美しく書き込んでも太くなりません、本来のEFのペン先の形になります、吸入器も分解しオーバーホールをしておりますので、新品の様にスムーズに吸入出来るようになりました。

この75周年の記念モデルは「マイスターシュテュックコレクション」と「マイスターシュテュック ソリテールコレクション」との2系統のコレクションがありました、マイスターシュテュックコレクションには生産本数75本限定の“エディション75”と生産本数1924本限定の“エディション1924”とさらに本数限定ではなく期間限定として1999年中のみ販売の“スペシャルアニバーサーサリーエディション”として販売されました。

マイスターシュテュックコレクションの”エディション75として発売されたNo,149の万年筆は、キャップ・胴軸などスケルトンで各部品には作家のサインが入っており、発売価格は¥3.500.000でした、確か日本には1本入荷した記憶があります(定かではありません)本当に綺麗で美しい物でした、この時“マイスターシュティックソリテールコレクション”には時計もあり、これもスケルトンでしたが、万年筆より安く¥3.200.000でした。

マイスターシュテュック・ソリテールコレクションには筆記具以外にも、カフリンクス・タイチェーンなどのジュエリー製品などもありました、筆記具はソリテールですので、キャップはシルバー製ですソリテールコレクションは全27アイテムになります。

マイスターシュテックコレクションには、ジュエリーはありません、筆記具とレザー製品になります。

マイスターシュテックコレクションの中の“エディション75”の筆記具は先ほどのスケルトンのNo,149のみで他はレザー製品になります、ブリーフケース¥780.000、ポートフォリオ¥650.000、名刺入れ・キーケース・ノートブック・オルガナイザーなどになります、このシリーズのレザーは「オーストリッチ」になります。

“エディション1924”にはNo,149110.000No,14682.000No,14565.000No,11465.000などの万年筆と、No,161164116のボールペン、No,162163のローラーボールペン、さらにメカニカルペンシルのNo,165117があります、レザー製品にはペンケース、名刺入れ、キーケース、ノートブックなどがあり素材は「ラムスキン」です、

ペン先は18金ペン先にキャップ上部のリングにPassionの刻印にダイヤモンドのアクセントを装填、天ビスのモンブランマークは真珠母貝を使用、ペン先は特別デザインで“75YEARS”と刻印され、クリップやリングなどは18金ローズゴールド仕上げになります。

“スペシャルアニバーサルエディション“は年間限定で1999年中の販売になり、このコレクションは筆記具のみの発売になります。  No,14987.000/No,14665.000/No,147(トラベラー)¥76.000/No,14552.000/No,11446.000などがあり、これ以外にボーペン・ローラーボールペン・メカニカルペンシルなどがありました。

 

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2024/07/10
コラム

【ペリカン】万年筆 スーベレーン M400 ミドリ縞&バーガンディレッド

M400

   ペン先細字直し M---F位に(細目)

   書き味調整

   インク出調整

   クリップ緩み直し

   オーバーホール

 

M400バーガンディレッド 

   ペン先ズレ直し  

   書き味調整

   インク出調整

   オーバーホール

 

ペリカン M400の緑縞とバーガンディレッドの2本の調整依頼です、この2本は当店で緑は20169月にお求め頂いたもので、バーガンディレッドは202012月にお求め頂いた物です、共にメーカーに出さない修理調整ですので無料になります。

M400緑はペン先の細字直しで M―――>F・少し細目に仕上げ、天ビスの緩み直し

    書き味/インク出の調整・オーバーホール。

M”でお求め頂いたのですが、手帳など細かいところに書き込むことが多くなりMでは使いづらく感じるようになったので細くしたいとの依頼ですが、EFでは細すぎるのでFより少し細目が良いとの依頼でした。

M400バーガンディレッドはオーバーホールの依頼です。

    分解調整の途中でペン先のズレがありましたのでこの調整もしました、これはお預かりした時には、オーナーからの依頼がありませんでしたが、

ザラツキと引っ掛かりがありましたので調整しました、しばらくお使いではありませんでしたので気が付かなったのだと思います。

 

 

  

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2024/06/10
コラム

【クロス】万年筆 タウンゼント ラピスラズリ

最近、比較的安価な萬年筆を手に入れたので、書き物をしていた所万年筆は楽しいと言う事に改めて気づいたとの事で、そこで昔に(20年位前)入手したがいつの日か使わなくなり引き出しの肥やしになっていたクロスの万年筆を思い出し、取り出して書いてみようとした所20年前にインク入れたままになっておりペン先はカラカラに乾燥しており全く書ける状態ではなく、漬けペンで書くとペン先も太く(M)今の自分には合わないと思い、オーバーホールと共にペン先を細字(EF位)に仕立て直そうと修理調整にご来店になられました。

確かに、ペン先・ペン芯は勿論の事差し込んだままになっていたカートリッジの中に残っているインクまでも固まっている状態で、急いで分解しようとすると壊してしまいます。
クロスは今修理に出しても部品が無いなどの理由で、修理が出来ないとかで返って来ることが多く、まずはゆっくりとインクを溶かし分解出来る所まで持ってゆかなくては何も始まりません。

オーナーはご自身では出来る事はないようだと何もせずそのまま持ち込まれました、これが正解ですインクが詰まっているだけで破損した所はありません、 手間ひまはかかりますがオーバーホールで充分使用できるようになります、後はペン先の細字直し・インク出調整・書き味の調整・ペン先・軸の磨きで高級筆記具の良さを十分に味わう事が出来るでしょう。

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2024/05/23
コラム

【モンブラン】万年筆 オールドタイマー No,34/32

二本ともモンブランの旧型で50年程前には製造中止になっております、故人の思い出の物ので是非とも再生してほしい、使えなくとも綺麗にして保存して置きたいとの事での依頼でした。

お預かりした時はインク詰まりがひどく、まったく吸入器(尻軸)が動きませんでした、又全体に汚れもありどこかにヒビが在っても判らない状態でした、メーカーにも断れたとの事でしたので正直再生は難しいだろうと思いその様にお伝えしましたが、かなりの思い入れがありストーリーをお聞きしているうちに、断る事が出来ずに引き受ける事になりました。

ただし、50年以前の代物です、どんなに慎重に扱っても分解途中で破損すことがあります、その時は破損した状態でお返しすることになりますが、との了解の元で受ける事になりました。

この二桁番号の初期モデルには一度分解すると二度と組み立てられない物があります(ほぼ無いのですが極まれにあります)、外見では判らないので慎重に判断しなければなりません、幸いこの二本は分解出来る物でしたとにかくインクを入れたままで数十年放置されておりますので、まずはたっぷりの時間を掛けて固まっているインクを溶かさなくてはなりません、やっと分解出来る所まで来て再度細部の点検をしました所、ほったらかしになっていたのが良かったのでしょう、無理に吸入器(尻軸)を回さなかったので軸の内部は綺麗な状態でした、又胴軸・首軸などにもクラックが無く吸入器も支障なく回る状態でした、ここまでくれば後は簡単ですペン先の曲がり直しをして、書き味・インク出調整し仕上げにペン先と軸の磨きで完成です。

 

 

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2024/05/18
コラム

【ペリカン】M800 ブルー縞 細字直し

F」細字と言う事で入手され暫らく使っていたそうですが、やはり太くインク出も多くかなり使いづらく感じ、このままではストレスを感じるとの事で、自分の感覚に合うよう細字にしたいとの事での依頼です。

万年筆は工場から出荷される時は、インクが出る事は確認しますが、使用される個人の個性に合わせる事は出来ません、出荷時の調整のまま使えれば良いのですが必ずしもそれを使う人に合うとは限りません、昔は万年筆を購入するときはそれなりに詳しい親爺?がおりオーナーの感覚やら使い道やらなぜその万年筆が良いかなどあるいは気を付けるべき所などの話しをしながら、最も合うと思われるものをお勧めし、又その場で調整などして販売した物です、なぜなら万年筆は100%アナログですので、メーカでは個人に合わせて調整しての出荷は出来ません、これは本来販売店の仕事になります。 販売店ではオーナーの好み希望を聞き出し(ご自身気が付いてない所まで)いくつかの万年筆をプレゼンします、利き手を見てインク出・角度・捻り具合・普段使用する用紙などに合わせて調整してゆきます、この様に自分だけの一本になった万年筆は他に代えがたい筆記具になります、もうボールペンには戻れないと言うお客様が多くおられます。

日々販売、ペン先調整をしておりますと、なんと多くの人が我慢をして、あるいは書き味に妥協をしながら使っておられる事と思うことがあります。

当店にも万年筆は初めてでどの様な物を選んでよいかわからないと言うお客様が来店されます、そんな時はまずペンケースからカバンから出した時に「楽しい」と感じる万年筆を選でください、それをキッチリと調整する事で本当にあなたの一本になります、ですが此の調整はゴールではありません、これからより良いペン先を育てて行くスタートになります、スタートの時点でストレスを感じるようでは、何十年の付き合いは出来ません本当の一本にはなりません、他の筆記具と違い万年筆は少しだけ手間がかかります、その手間は当店が引き受けます。

 

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2024/05/13
コラム

【モンブラン】万年筆 No,144 

首軸のネジ部分が樹脂タイプでペン先が14金一色である事から、約40年以前の発売当時のNo,144になります、ペン芯も発売当時の物で裏に筋の無いエボナイト製です、このエボナイトはゴムと硫黄の化合物で比較的経年変化があり劣化しますので今回の調整時にプラスティック製の新しいもに交換しました。

古いタイプにしてはかなり綺麗な状態でしたが、ペン先は一度どこかで調整されたのでしょうか?イリジュウムの腹の部分が研磨され過ぎで書き味が悪くザラツキとインク出が不安定でした。

自分以外の人が研磨したペン先の再調整は難しく、私のイメージした書き味にするのは難しいのもですそれでもザラツキとヒッカリが出ないように、カスレが出ないようにと何とか出来たのではないかと思います。

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2024/05/01
コラム

【モンブラン】万年筆 No,146 ペン先・BB

ペンポイントBBの初筆切れと書き味とインク出の調整依頼です。

見積もりと各部分の異常の無いことを確認するために、まず分解しましたので調整前の分解写真のみになります。

少しのインク詰まりはありましたが、初筆切れの原因はインク詰まりではありませんでした、ペン先が特殊ペン先の「BBB(ブロード・ダブルブロード)」が所以の初筆切れと判断しました。

この様に書くとモンブランの「BBB」は欠陥かと思われるかもしれませんが決して欠陥でも不良でもありません、モンブランのB/BBはペン先が四角くくなっておりますこれによって縦線は太く横線は細く書けるようになっており、日本語の止めはね、はらいなどが楽しく表現する事が可能になり味のある文字を楽しく表現する事が出来ます、がペンをひねって持ちますとペンポイントの角が紙面に当たり一瞬キリ割が紙面から離れてしまいます、この瞬間初筆切れを起こすことがあります。

これは勿論調整は可能ですが、調整しすぎるとせっかくのBBBのペン先本来の個性を無くすことになりますので、ペン先の内向き外向きの角度/立てる・寝かせるの角度/筆圧などのオーナーの書き癖を見て、出来るだけモンブランの特殊ペン先の良さを残しながらの調整になります。

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