マイスターシュテック No,149 ペン先は14金です、ペン先の模様の中がロジュウムメッキされているものです、ずいぶん昔のモデルになります、たぶん50年位前にはなるでしょう、一度修理をして胴軸や尻軸、キャップなども変わっておりますがペン先は元の50年程前の物です、現在の「F」ポイントを出来るだけ細くしたいとの依頼です、よって現行モデルの「EF」まで調整します。
今の、モンブランの“EF”はかなり細くなっており、以前(10数年前)のEFとは比べ物にならないくらい細く仕上がっております(F以上はそのまま)、日本人の細字好みになっていると思います、それでいてカリカリしたり引っかかったりはしません、さすがにモンブランです素晴らしい仕上がりです、細かいところまでキッチリと仕上げてきます。
今回の依頼もFでは太くて使いづらいとの事で、出来るだけ細くしかもインク出はかすれないように、当然ながら引っ掛かりやがさつきは無くあくまでも滑らかにとの注文です。
細くすれば当然手に当たる感触は、太いペン先よりは硬く感じます、引っ掛かりやざらつきとは少し違うのですが、やはり書きずらさは感じます、それを出来るだけ滑らかにするには丁寧な仕上げとオーナーの書き癖に合わせた調整しかありません、この調整には利き手に合わせたペンの捻り具合や角度・筆圧などを見て出来るだけそれに合わせるように仕上げます、それでも一発での調整は難しい時があります、今回は2度の微調整でOKを頂きました。
胴軸と胴軸リングに少しの段差があります、これは一度修理をした時に部品を新しい物に交換している為に古い軸との部妙な違いです、数十年前の金型と現在の金型との微細な違いと思われます、気にしなければそのままですが気にされる方はやはり気になるようです、それを調整してほしいと合わせて依頼されました、大きな違いになりますと調整は難しくなりますが微妙な違い(手触り)位いなら調整は可能です。
今回の依頼はかなり手間取りましたがなんとうまく出来たのではないかと思います。