モンブラン マイスターシュテュック発売75年を記念して、1999年に発売されたモデルです、今年は同100周年ですので、25年前になります、それにしては綺麗に保存されていたようです、たぶんほとんど使用されてなかったのではと思われます。
依頼品は”エディション1924”のシリーズになります。主に手帳の書き込みに使いたいとの事で、出来るだけ細くしたいとの希望でした、又吸入器も動かしていなかった為、かなり重くスムーズに吸入出来ない状態でした。
FポイントをEFまでに細字直しをし、引っ掛かりザラツキなど無いように、又インク出もオーナーの希望通りの調整をしております。イリジュウムだけを小さくするのではなくペン先全体をEFにすることにより、見た目も美しく書き込んでも太くなりません、本来のEFのペン先の形になります、吸入器も分解しオーバーホールをしておりますので、新品の様にスムーズに吸入出来るようになりました。
この75周年の記念モデルは「マイスターシュテュックコレクション」と「マイスターシュテュック ソリテールコレクション」との2系統のコレクションがありました、マイスターシュテュックコレクションには生産本数75本限定の“エディション75”と生産本数1924本限定の“エディション1924”とさらに本数限定ではなく期間限定として1999年中のみ販売の“スペシャルアニバーサーサリーエディション”として販売されました。
マイスターシュテュックコレクションの”エディション75“として発売されたNo,149の万年筆は、キャップ・胴軸などスケルトンで各部品には作家のサインが入っており、発売価格は¥3.500.000でした、確か日本には1本入荷した記憶があります(定かではありません)本当に綺麗で美しい物でした、この時“マイスターシュティックソリテールコレクション”には時計もあり、これもスケルトンでしたが、万年筆より安く¥3.200.000でした。
マイスターシュテュック・ソリテールコレクションには筆記具以外にも、カフリンクス・タイチェーンなどのジュエリー製品などもありました、筆記具はソリテールですので、キャップはシルバー製ですソリテールコレクションは全27アイテムになります。
マイスターシュテックコレクションには、ジュエリーはありません、筆記具とレザー製品になります。
マイスターシュテックコレクションの中の“エディション75”の筆記具は先ほどのスケルトンのNo,149のみで他はレザー製品になります、ブリーフケース¥780.000、ポートフォリオ¥650.000、名刺入れ・キーケース・ノートブック・オルガナイザーなどになります、このシリーズのレザーは「オーストリッチ」になります。
“エディション1924”にはNo,149¥110.000・No,146¥82.000・No,145¥65.000・No,114¥65.000などの万年筆と、No,161・164・116のボールペン、No,162・163のローラーボールペン、さらにメカニカルペンシルのNo,165・117があります、レザー製品にはペンケース、名刺入れ、キーケース、ノートブックなどがあり素材は「ラムスキン」です、
ペン先は18金ペン先にキャップ上部のリングにPassionの刻印にダイヤモンドのアクセントを装填、天ビスのモンブランマークは真珠母貝を使用、ペン先は特別デザインで“75YEARS”と刻印され、クリップやリングなどは18金ローズゴールド仕上げになります。
“スペシャルアニバーサルエディション“は年間限定で1999年中の販売になり、このコレクションは筆記具のみの発売になります。 No,149¥87.000/No,146¥65.000/No,147(トラベラー)¥76.000/No,145¥52.000/No,114¥46.000などがあり、これ以外にボーペン・ローラーボールペン・メカニカルペンシルなどがありました。
M400緑
ペン先細字直し M--->F位に(細目)
書き味調整
インク出調整
クリップ緩み直し
オーバーホール
M400バーガンディレッド
ペン先ズレ直し
書き味調整
インク出調整
オーバーホール
ペリカン M400の緑縞とバーガンディレッドの2本の調整依頼です、この2本は当店で緑は2016年9月にお求め頂いたもので、バーガンディレッドは2020年12月にお求め頂いた物です、共にメーカーに出さない修理調整ですので無料になります。
M400緑はペン先の細字直しで M―――>F・少し細目に仕上げ、天ビスの緩み直し
書き味/インク出の調整・オーバーホール。
“M”でお求め頂いたのですが、手帳など細かいところに書き込むことが多くなりMでは使いづらく感じるようになったので細くしたいとの依頼ですが、EFでは細すぎるのでFより少し細目が良いとの依頼でした。
M400バーガンディレッドはオーバーホールの依頼です。
分解調整の途中でペン先のズレがありましたのでこの調整もしました、これはお預かりした時には、オーナーからの依頼がありませんでしたが、
ザラツキと引っ掛かりがありましたので調整しました、しばらくお使いではありませんでしたので気が付かなったのだと思います。
最近、比較的安価な萬年筆を手に入れたので、書き物をしていた所万年筆は楽しいと言う事に改めて気づいたとの事で、そこで昔に(20年位前)入手したがいつの日か使わなくなり引き出しの肥やしになっていたクロスの万年筆を思い出し、取り出して書いてみようとした所20年前にインク入れたままになっておりペン先はカラカラに乾燥しており全く書ける状態ではなく、漬けペンで書くとペン先も太く(M)今の自分には合わないと思い、オーバーホールと共にペン先を細字(EF位)に仕立て直そうと修理調整にご来店になられました。
確かに、ペン先・ペン芯は勿論の事差し込んだままになっていたカートリッジの中に残っているインクまでも固まっている状態で、急いで分解しようとすると壊してしまいます。
クロスは今修理に出しても部品が無いなどの理由で、修理が出来ないとかで返って来ることが多く、まずはゆっくりとインクを溶かし分解出来る所まで持ってゆかなくては何も始まりません。
オーナーはご自身では出来る事はないようだと何もせずそのまま持ち込まれました、これが正解ですインクが詰まっているだけで破損した所はありません、 手間ひまはかかりますがオーバーホールで充分使用できるようになります、後はペン先の細字直し・インク出調整・書き味の調整・ペン先・軸の磨きで高級筆記具の良さを十分に味わう事が出来るでしょう。
二本ともモンブランの旧型で50年程前には製造中止になっております、故人の思い出の物ので是非とも再生してほしい、使えなくとも綺麗にして保存して置きたいとの事での依頼でした。
お預かりした時はインク詰まりがひどく、まったく吸入器(尻軸)が動きませんでした、又全体に汚れもありどこかにヒビが在っても判らない状態でした、メーカーにも断れたとの事でしたので正直再生は難しいだろうと思いその様にお伝えしましたが、かなりの思い入れがありストーリーをお聞きしているうちに、断る事が出来ずに引き受ける事になりました。
ただし、50年以前の代物です、どんなに慎重に扱っても分解途中で破損すことがあります、その時は破損した状態でお返しすることになりますが、との了解の元で受ける事になりました。
この二桁番号の初期モデルには一度分解すると二度と組み立てられない物があります(ほぼ無いのですが極まれにあります)、外見では判らないので慎重に判断しなければなりません、幸いこの二本は分解出来る物でしたとにかくインクを入れたままで数十年放置されておりますので、まずはたっぷりの時間を掛けて固まっているインクを溶かさなくてはなりません、やっと分解出来る所まで来て再度細部の点検をしました所、ほったらかしになっていたのが良かったのでしょう、無理に吸入器(尻軸)を回さなかったので軸の内部は綺麗な状態でした、又胴軸・首軸などにもクラックが無く吸入器も支障なく回る状態でした、ここまでくれば後は簡単ですペン先の曲がり直しをして、書き味・インク出調整し仕上げにペン先と軸の磨きで完成です。
「F」細字と言う事で入手され暫らく使っていたそうですが、やはり太くインク出も多くかなり使いづらく感じ、このままではストレスを感じるとの事で、自分の感覚に合うよう細字にしたいとの事での依頼です。
万年筆は工場から出荷される時は、インクが出る事は確認しますが、使用される個人の個性に合わせる事は出来ません、出荷時の調整のまま使えれば良いのですが必ずしもそれを使う人に合うとは限りません、昔は万年筆を購入するときはそれなりに詳しい親爺?がおりオーナーの感覚やら使い道やらなぜその万年筆が良いかなどあるいは気を付けるべき所などの話しをしながら、最も合うと思われるものをお勧めし、又その場で調整などして販売した物です、なぜなら万年筆は100%アナログですので、メーカでは個人に合わせて調整しての出荷は出来ません、これは本来販売店の仕事になります。 販売店ではオーナーの好み希望を聞き出し(ご自身気が付いてない所まで)いくつかの万年筆をプレゼンします、利き手を見てインク出・角度・捻り具合・普段使用する用紙などに合わせて調整してゆきます、この様に自分だけの一本になった万年筆は他に代えがたい筆記具になります、もうボールペンには戻れないと言うお客様が多くおられます。
日々販売、ペン先調整をしておりますと、なんと多くの人が我慢をして、あるいは書き味に妥協をしながら使っておられる事と思うことがあります。
当店にも万年筆は初めてでどの様な物を選んでよいかわからないと言うお客様が来店されます、そんな時はまずペンケースからカバンから出した時に「楽しい」と感じる万年筆を選でください、それをキッチリと調整する事で本当にあなたの一本になります、ですが此の調整はゴールではありません、これからより良いペン先を育てて行くスタートになります、スタートの時点でストレスを感じるようでは、何十年の付き合いは出来ません本当の一本にはなりません、他の筆記具と違い万年筆は少しだけ手間がかかります、その手間は当店が引き受けます。
首軸のネジ部分が樹脂タイプでペン先が14金一色である事から、約40年以前の発売当時のNo,144になります、ペン芯も発売当時の物で裏に筋の無いエボナイト製です、このエボナイトはゴムと硫黄の化合物で比較的経年変化があり劣化しますので今回の調整時にプラスティック製の新しいもに交換しました。
古いタイプにしてはかなり綺麗な状態でしたが、ペン先は一度どこかで調整されたのでしょうか?イリジュウムの腹の部分が研磨され過ぎで書き味が悪くザラツキとインク出が不安定でした。
自分以外の人が研磨したペン先の再調整は難しく、私のイメージした書き味にするのは難しいのもですそれでもザラツキとヒッカリが出ないように、カスレが出ないようにと何とか出来たのではないかと思います。
ペンポイントBBの初筆切れと書き味とインク出の調整依頼です。
見積もりと各部分の異常の無いことを確認するために、まず分解しましたので調整前の分解写真のみになります。
少しのインク詰まりはありましたが、初筆切れの原因はインク詰まりではありませんでした、ペン先が特殊ペン先の「B・BB(ブロード・ダブルブロード)」が所以の初筆切れと判断しました。
この様に書くとモンブランの「B・BB」は欠陥かと思われるかもしれませんが決して欠陥でも不良でもありません、モンブランのB/BBはペン先が四角くくなっておりますこれによって縦線は太く横線は細く書けるようになっており、日本語の止めはね、はらいなどが楽しく表現する事が可能になり味のある文字を楽しく表現する事が出来ます、がペンをひねって持ちますとペンポイントの角が紙面に当たり一瞬キリ割が紙面から離れてしまいます、この瞬間初筆切れを起こすことがあります。
これは勿論調整は可能ですが、調整しすぎるとせっかくのB・BBのペン先本来の個性を無くすことになりますので、ペン先の内向き外向きの角度/立てる・寝かせるの角度/筆圧などのオーナーの書き癖を見て、出来るだけモンブランの特殊ペン先の良さを残しながらの調整になります。
インク出が不安定で出にくかったり、出すぎたりあるいは途中切れであったりと、特に横線が切れるとの事での調整依頼でした。
インク詰まりもありますがこれはさほどの事はありません、主な原因はイリジュウムの内側の研磨のし過ぎによる物でした、これは書き味(滑り)は良く感じるのですが時としてこのような症状が出てきます、きり割の内側を研磨しすぎると紙面に当たる部分に一瞬隙間が出来る事があります、この時にインク出不良になります。
これを調整するには、イリジュウムを再研磨しキリ割が常に紙面に当たるようにしなければなりませんが、決してイリジュウムに角度が付くような研磨をしてはいけません、時折このような研磨を見ますがこれではその角度に合った筆記角度でしか書けません、この角度から外れてしまうとザラツキや引っ掛かりの原因になります、又内側の研磨のし過ぎと言ってもごくわずかな物ですので、イリジュウムの形を変えるような研磨はするべきだはありません、あくまでもイリジュウムの形は変えない角は付けない、滑らかな研磨を心掛けなければインク出書き味共に満足の行くものになりません。
使い込んで良く内に付く角度は、そのオーナーの書き癖であり唯一無二の万年筆になります、これはオーナーにとって素晴らしい書き味の万年筆であり、決して人に貸してはいけません、書き癖はその人だけの個性であり自分以外の人とは同じではありません。
今回は旧型 No,149の「B」ポイントの初筆切れとザラツキの調整になります。
見た目には問題無いように見えます、又店主が試筆した所も初筆切れはありませんでした、モンブランの「B」ポイントはペンポイントが角ばっておりますので、ペンの捻り具合とか傾け具合によってはかすれたり、インクが出なかったりあるいは引っ掛かりを感じたりする事はあります、これはペンが悪いとかオーナーが悪いとかではなく、書き癖(オーナーの個性)とペン先の調整が合ってないだけの事ですので、オーナーの個性に合わせてペン先を調整すれば快適にご使用いただける様になります。
調整しすぎるとせっかくのモンブラン「B」ポイントの特徴の縦が太く横線が細くのペン先の個性が無くなりますので、出来るだけモンブラン「B」ポイントの特徴を生かしながらの調整になります、このモンブラン「B」ポイントはかなり太字ですが、漢字などの止めはね払いなどの表現がし易く文字に表情があると言う人が多く、好むオーナがおられます。 今回は出来るだけこのモンブラン「B」ポイントの特徴を殺さないように、オーナーの手に合うように調整しました。