万年筆の達人のお店 小野萬年筆

ブログ

2022/10/12
コラム

【モンブラン】万年筆 No,149//146 ペン先調整

 

No,149 「B」ポイント ザラツキ/引っ掛かり/オーバーホール

No,146 「M」ポイント ザラ付き/引っ掛かり/オーバーホール

  No149は「B」ポイントの調整です、どこかでペン先調整されたとの事です、本来このペン先(イリジュウム)はふっくらとした、大きなイリジュウムがついております、が必要以上に研磨をしてしまったので、イリジュウムが扁平にすり減っておりました、残念ですがこれではペン先の滑りも悪く書き味が良くありません、さらにインク出も“B”としては少なく、モンブランの“B”ポイントとしての良さが感じられませんでした。
モンブランの「B」は縦線が太く、横線が細く書けるように設計されております、これにより味のある筆跡になり豊かな表現が可能になります、又潤沢にインクが出るように調整することにより、さらに滑らかにヌラヌラとした、心地よい書き味を感じることが出来ます。
今回は出来るだけ、その書き味を再現できるようにと思い調整しましたが、オーナーに満足いただけるでしょうか。

イリジュウムは出来るだけ研磨しない方が良いのです、固いと言ども小さな金属の粒です、砥石やサンドペーパーを当てるとすぐに変形します、変形した物は元には戻りません、調整研磨は最小限でなければなりません、今回の調整が必ず気に入って頂けるとは限りません、再調整出来るだけの余裕を常に持つようにしなければなりません。 

 No,146は「M」ポイントの調整です、これもイリジュウムを研磨されてます、モンブランは“EF”でもイリジュウムは大きなものを取り付けます(幅は狭く縦に長く)、調整も余裕をもって行えます、がイリジュウムの先端や腹を研磨してしまえば、その余裕がなくなってしまい、オーナーが希望する書き味にするのは難しくなります。

今回は、インク出が悪くとにかく引っ掛かりとザラツキがひどく滑らかな書き味を確保するのに手間がかかりました。

 

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IMG_3058 (2)149調整後サンプル
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2022/10/12
コラム

【モンブラン】万年筆 グレートキャラクターズ ジェームスディーン スペシャルエディション「F」

 

最近、入手されたと事でしばらく使っていたが、どうもインク出が少なく感じる、何処と言って引っ掛かるでもなく、ザラツクでもないが書き味の悪さを感じるとの事での依頼です、こちらのオーナーはとにかく良く書き物をされます、ペンは何本もお持ちですがこの赤い色が気に入り入手されたとの事ですが、やはり書き味の気に入らいないものは使いずらいとの事です。
インク出はオーナーの書き癖(筆圧)と合ってない為の物で、これはキリ割の調整でオーナーに合わせれば解決できます。
ただ「何処となく書き味が悪い」これは難問です、イリジュウムを見ても綺麗な形です、曲がりも、ズレもありません、が確かに滑りが悪いというほどではなく重いという感じがします、我慢も出来ますがこれでは書く度にストレスを感じます、これほど高価な万年筆(安価でも)、「気に入った色のインクを入れて、ただただ気持ちよく使いたい」当然です、その為にはキッチリと調整する必要があります。

まずは、ペン先のズレを微調整し、イリジュウムを磨くように整えました、これはイリジュウムの研磨ではありません、むやみにイリジュウムを研磨してはいけません、この様に微妙な調整は、まずオーナーの書き癖をしっかりと観察し、そこに合わせるように調整します。

 

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2022/09/29
コラム

【モンブラン】P149 ペン先曲がり

落下によるペン芯のズレでペン先に損傷はないと思われたようです、確かにペン先の先端にわずかに曲がりがあり、素人目には曲がりは無いないような曲がりですが、分解してみれば大きな曲がりがあります、それはペン先の付け根(胴軸に入りこんでいる部分)に大きく上に反るように全体が曲がっております、ペン芯がずれた様に見えるのは、ペン先が大きく上に曲がっている(ペンカバーの入り口を支点に)ためです。

この曲がり直しは大変です、板金さながらペン先の裏からペン先をたたき出すように、しかも表には傷が残らないように、真っすぐに元に戻さなければなりません、18金のペン先は直す(戻す)のに力を加えすぎるとペン先の一部が伸びてしまい、変形してしまいます。

今回はうまく行きました、先端の曲がり直しも傷がつかなく、バフでの磨きも必要ありませんでしたので、プラチナ加工も取れなくて済みました。

もちろん、いつも上手く行くとは限りません、今回は素直な曲がり?だったのでうまく直ったのだと思います。
ペン先の直しは一つとして同じものはありません、直し、調整は経験による引き出しの多さだと思います。


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2022/09/22
コラム

【モンブラン】万年筆 No,146 

モンブラン 旧型No,146  インク出不良/インク詰まり/ペン先調整

インク詰まりによるインク出不良です、ペン先のきり割の中ほどに少し曲がりがあり、これが原因でざら付き、インク出が安定しません。

ペン芯/ペンカバーはエボナイト製で胴軸のインク窓は格子のない透明です、たぶん40年以前位でしょうか?かなり古い物になりますが多少の劣化のある物の、見た目の損傷もありませんせんのでキッチリと調整とオーバーホールをすれば全く問題なくさらに何年も使用できます、これまで長く相棒であった万年筆、このあたりで一度全てを分解し古くこびり付いたインクやら汚れを洗い落とし磨き組み立て直すことで甦ります。
こんなにも長く使い続けられ筆記具は万年筆だけです、使い込むほどに手に馴染みオーナーの好みの癖付けが出来ます、唯一貴方だけの一本になります。

 

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2022/09/21
コラム

【ペリカン】万年筆 M805 ブラックストライプ 「M」

 

M」ポイントの平研ぎでモンブラン「B」ポイントの様に仕上げてほしいとの依頼です。

EFMまでのペンポイントは縦横の線の太さは同じように作られておりますが、オーナーはこのままでは、書いていて楽しくないのと“Mの太さで縦横の違いをしっかりと出したい、モンブランの“B”ポイントでは少し太い、気に入って求めたペリカンM805ブラックストライプをぜひ自分様に気に入ったペン先に仕上げて、普段使いしたいとの依頼です。

外国製の万年筆は比較的イリジュウムが大きく付けられておりますので、可能ですがやはりそうすればイリジュウムの先端を削り落とさなければなりません、ペン先調整するうえでイリジュウムの先端を落とすと言うのは、細字直しであってもそれをしてはいけません先端を研磨してしまえば、ペン先の寿命は短くなりますし、何より大変不細工にもなり見てくれの悪い物になります、が今回は研磨を最小限にし極力イリジュウムを残しながら、縦横の変化が付くように、しかも見た目もハッキリと“M”の平研ぎとわかるようにと心がけ調整しました。

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2022/09/13
コラム

【モンブラン】万年筆 No,149 ペン先曲がり直し

 

万年筆を落下させてしまったとの事でのペン先曲がり直しです、幸いペン先以外には破損はありませんでした、ペン先にヒビもなく曲がり直し調整で充分元にもとに戻ります。

今回は、曲がり直しとインク出調整・書き味の調整とオーバーホールでまた何年もご使用いただけます。

これは2017年にお買い上げいただいた物ですので、当然無料修理になります。

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2022/09/12
コラム

【モンブラン】旧型 No,146 万年筆

 

旧型のNo,146たぶん40年位前の物でしょう、一度修理をしてキャップを交換した時に変色したペン先の磨きも依頼されたそうですが、この変色は元に戻せないと言われたそうですなぜでしょうか?No.146のペン先は14金で58.5%の金と残り41.5%の大方は銀・胴です、変色の原因はこの銀、銅の硫化や酸化で表面だけの物です、分解した時に磨けば元の輝きを取り戻します。

今回は分解し、イリジュウムの再研磨をして書き味の再調整・インク出の調整とペン先変色の磨きオーバーホール、またレポート用紙一枚くらいでカスレるとの事でしたので、原稿用紙に試筆をしインク出と書き味を確認しました。

 

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2022/09/09
コラム

【ペリカン】万年筆 M 1000 緑縞

 

ペリカン M1000M800M600M400と違いペン先の腰が柔らかく出来ております、少しの筆圧でもすぐにペン先が開きます、もとより筆圧の強めのひとには使いずらく感じるかもしれません、しかしそのペン先を理解し慣れれば楽しいペン先です、又その軸の大きさからゆったりと握れて疲れも少なく長い時間の筆記にも適しております、人は書く時ペン先見ますので、小さいペン先を見つめるようなこともなく疲れが少なくなります。

今回はまずペン先の曲がり直し・ペン先に少し強めの腰を持たせるようにとイリジュウムの再研磨により滑らかにスムーズなインク出をと思い調整しました。

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2022/08/30
コラム

【モンブラン】万年筆 No,146

旧型のNo,146 クリップには番号ではなく「GERMANY」と刻印のある物です、ペン芯はエボナイト製で40年以前の物でしょう、形見との事で思い入れがあり手入れをして使えるようにしたいとの事でした。

ペン先が少しずれているのと、インクを入れたままでしたのでひどい詰まりがありました、がご自分で何とかしようと思わず当店に持ち込まれたのが幸いでした。

無理にピストンを動かすと尻軸が破損する可能性がありますし、又胴軸内部が固まったインクで傷がつき軸の交換になってしまいます。

まず時間を掛けて固まったインクを溶かすことから始め、ゆっくりと分解します分解出来れば、後は各部品を洗浄しペン先を調整し組み立ててペン先を磨き、軸の磨きをして完成です、これでまた長くご使用いただけます。

形見ですので出来るだけ部品交換をしないで再生したいものです、部品交換しますと新旧の部品が混在して見た目のバランスが良くないのではと思います。

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2022/08/24
コラム

【モンブラン】限定万年筆 アーネスト・ヘミングウェイ

1992年発売の作家シリーズ「アーネスト・ヘミングウェイ」萬年筆20.000/ボールペン30.000本の(世界本数)限定数でした。

No,149サイズの作家シリーズはこのヘミングウェイと1996年発売の「アレキサンドル・デュマ」のみでした。

このヘミングウェイは太めの握り心地でバランスが良く、又コーラルレッドの胴軸とダークブラウンのキャップで大変人気がありました、発売が終了してからの方が人気に火が付いたようで、中古市場で発売時の何倍もの価格で取引された様です。

30年も経っておりますが、インクを抜いて保管されていたとの事で、劣化はみられませんでしたが、ペン先に少しの曲がりがありましたのでその影響でインクの出が悪く/書き味も良くありませんでした、久しぶりのヘミングウェイで楽しく調整させていただきました。

 

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