No,149 「B」ポイント ザラツキ/引っ掛かり/オーバーホール
No,146 「M」ポイント ザラ付き/引っ掛かり/オーバーホール
No、149は「B」ポイントの調整です、どこかでペン先調整されたとの事です、本来このペン先(イリジュウム)はふっくらとした、大きなイリジュウムがついております、が必要以上に研磨をしてしまったので、イリジュウムが扁平にすり減っておりました、残念ですがこれではペン先の滑りも悪く書き味が良くありません、さらにインク出も“B”としては少なく、モンブランの“B”ポイントとしての良さが感じられませんでした。
モンブランの「B」は縦線が太く、横線が細く書けるように設計されております、これにより味のある筆跡になり豊かな表現が可能になります、又潤沢にインクが出るように調整することにより、さらに滑らかにヌラヌラとした、心地よい書き味を感じることが出来ます。
今回は出来るだけ、その書き味を再現できるようにと思い調整しましたが、オーナーに満足いただけるでしょうか。
イリジュウムは出来るだけ研磨しない方が良いのです、固いと言ども小さな金属の粒です、砥石やサンドペーパーを当てるとすぐに変形します、変形した物は元には戻りません、調整研磨は最小限でなければなりません、今回の調整が必ず気に入って頂けるとは限りません、再調整出来るだけの余裕を常に持つようにしなければなりません。
No,146は「M」ポイントの調整です、これもイリジュウムを研磨されてます、モンブランは“EF”でもイリジュウムは大きなものを取り付けます(幅は狭く縦に長く)、調整も余裕をもって行えます、がイリジュウムの先端や腹を研磨してしまえば、その余裕がなくなってしまい、オーナーが希望する書き味にするのは難しくなります。
今回は、インク出が悪くとにかく引っ掛かりとザラツキがひどく滑らかな書き味を確保するのに手間がかかりました。