ラミーのペン先曲がり直しの依頼です。
落とされて写真のように、ぐにゃりと下に向かって曲がってます、イリジュウムと金ペンの接着面にヒビがありませんので、曲がり直しが出来ました。
ただ、このラミ―のペン先は大変小さく、また14金ですが固くてペン先曲がり直しがしにくく手間取りました、直しをするにはペンチでペン先を起こしますので、どうしても細かい傷がつきます。
それ取るのに曲がり直しが終わってから磨きを掛けますので、表面のロジュウムメッキが取れて地金の14金の色が出ます、が書き味は元どうりあるいはさらに良くなったのではないかと思います。
このラミ―は当店でお求め頂いた物ですので、当然無償修理になります。
モンブラン スターウォーカーレジン万年筆のインク途中切れ(カスレ)
常時ではなく時折インク切れを起こすとの事で、3回修理に出したが問題ないとの返事で都度ペン芯交換をして返却されるが、がやはり初筆切れ・途中切れを起こすとの事でした。
私も修理調整前にテストをしましたが、それほど問題ないように思えるのですが、これはそれを使う人が決める(感じる)事ですので、やはりどこかに問題があるのだろうと、色々と試したところ、ペン先が外向きになった時に時折カスレが出ました。
おそらくご本人も気が付かないのだろうと思いますが、書き進める内にペン先の角度が変わる時があるのだろうと思い、そのあたりを考え出来るだけ角度に汎用性を持たせられるようにイリジュウムの再研磨を行いました。
オーナーはかなり困っていたようで、字幅は変わっても良いのでとにかく切れないようにしてほしいとの希望でした、仕上がりは元の「F」のままの仕上がりでした。 原稿用紙2枚に試筆をしましたが全く初筆・途中切れはありませんでした。
万年筆は同じ物でも使う人によって書き味はそれぞれです、これは万年筆のみ持つ「方向性」によるものです、この方向性とオーナーの個性によってさまざま書き味が生まれます。
又この方向性によって使う間に、長く書くうちにオーナーの「書き癖」がペン先ついてきます、こうなったら占めたものです世界でただ一つの貴方だけのペンになります、人には貸さないでください、せっかくの書き味が変化する可能性があります、決してケチではありまあせん。
構造は単純ですがこれこそ万年筆の奥の深さでは無いでしょうか。
モンブラン No,149 旧型14金中白のタイプです、前オーナ-が1980年代に海外で入手され数回使用しただけでその後現在までずーと保管されていたとの事です。
インク詰まりとカスレがありましたのでオーバーホールとペン先調整を行いました。
軸の中にこびりつくようなインク詰まりではありませんが、ペン先とペン芯の間に頑固なこびりつきがありました。
とにかく長い時間が経過しておりますので万年筆を壊さないように、このこびり付きを外すのに結構な手間がかかりましたが、うまくオーバーホールが出来ました。
後は現オーナーの指示通りに書き癖に基づき、インク出・角度などのペン先調整をするだけです。
数十年経過しておりますが、保管が大変良かったのでこのようにキッチと手入れすればさらに数十年付き合う事が出来ます。
ペリカン 旧型 緑縞 ペン先細字直し
このペリカンの年代はどれ位でしょうか、かなり古いという事は判りますが、ペン先をもっと細く国産の「F」位にならないかと、サンプルになる万年筆をお持ちになってこの位に仕上げてほしいとの事でした、このような具体的な依頼は大変助かります。
ペン先のズレ(曲がり)を直し、赤く変色したペン先を磨き元の輝きを取り戻し手の仕上げです。
ただ、この古いタイプのペリカンはペン先を細くするとザラツキ、引っ掛かりが出やすくなりますので気を使います、ペン先に聞きながらの手探りの調整になります。
No,149 14金中白 ペン芯の交換
ペン芯折れとペン先曲がり直しの依頼です、かなり古い物でメーカーに出せば修理はしてきますが、ペン先以外はおおかたの部品を交換してきます、オーナーはペン芯だけの交換とペン先直しを希望されているようですが当然このような古い部品はありませんので、ご自身で破損した部分の部品を探してそれを持ち込まれました、よく入手できたと思います、このNo,149は全て当時のオリジナルですので、新旧の部品が入り混じるのはやはり違和感があります。
この修理調整で40年前の発売当時の姿に戻りました、現行商品はそれはそれで美しいのですが、このように年代物には傷やシミにも思い入れもありますので当時の姿が戻りますと、愛おしく感じると思います。